出身国: アメリカ合衆国
2004年10月4日、アメリカ海軍の元パイロット、ブライアン・ビニーは、民間宇宙船「スペースシップワン」を操縦して高度69.6マイル(約112キロメートル)に達しました。賞金1000万ドルの「アンサリXプライズ」を勝ち取ったこの快挙により、宇宙飛行の新時代が幕を開けました。
「毎朝目覚めると、私はこうしたすべてのことが可能になる国で暮らしていることを神に感謝します。大きな事を成し遂げることができると信じている人々が集まるこの国だからこそ、達成することができたのです」
―ブライアン・ビニー 2004年10月4日
経歴:
*ブライアン・ビニーは、21年間アメリカ海軍のパイロットとして「A-7コルセアII」、「A-6イントルーダー」、「F/A-18ホ―ネット」、「AV-8B ハリアーII」などを操縦し、85種類の航空機で合計5,300時間以上の飛行経験を有しています。
*1988年にアメリカ海軍テストパイロットスクールを卒業。
*ビニーは様々な学位を取得しています。ブラウン大学にて航空エンジニアリングの学士号、流体力学と熱力学の修士号。プリンストン大学にて航空工学の修士号を取得。
*ライト兄弟による初の動力飛行から100周年を迎えた2003年の12月17日、ビニーは、初めて「スペースシップワン」を操縦して動力飛行テストに臨み、時速が音速を突破してマッハ1.2、高度20.7kmに達しました。
*2004年10月4日、パイロットとしてスペースシップワンに乗り込み2度目のアンサリXプライズに臨みました。その際スペースシップワンは高度112kmに到達し、1963年にノース・アメリカンX-15の記録を塗り替え、翼をもつ飛行機の最高高度記録を樹立しました。
*FAA(アメリカ連邦航空局)から、民間が運営する商業宇宙船のパイロットとしては2番目となる宇宙飛行士記章が授与されました。
*この飛行からまもなく、スケールド・コンポジット社は当時のアメリカ大統領ジョージ・ブッシュから祝福の電話を受けました。2005年には、宇宙財団からチームに「スペース・アチーブメント・アワード」を贈られました。
*スペースシップワンは、「民間所有の宇宙船としてマッハ3を超える」、「民間所有の宇宙船として初めて人を乗せ高度100Kmに到達」、「民間として初の再利用可能な人を乗せた宇宙船の生産」などいくつもの重要な「初」を記録しました。
*2014年、ブライアン・ビニーはXCORエアロスペースにシニアエンジニアとテストパイロットとして参加しています。